もう三週間も前の事になるのだが、大学同期の友人の一人ヴァイオリニスト「T」が
永い闘病生活の末、イギリスの病院で息を引き取った。
大学卒業以来殆どをイギリスで過ごしてきた彼は夫人もイギリス人。誕生日の前日
に静かに旅立って行ったとか。
こちらはずっとドイツに居たのに何故か縁が無く、同じヨーロッパに居ながら一度も
会うことが無かったのが悔やまれる。 合掌。
この年齢になって来ると知人友人の訃報に接する事が間々在る。最近やけに「死」
と云うものを考えさせられる事、状況が多い。
やりたい事、やらねばならない事はまだまだ在る。「死」に対して悟りや覚悟が出来
ている筈も無く、直面すればうろたえるだけだろうとは思うが、生有る者全てが「死」
と云う宿命を負っている事を思うと何だか少しだけ心が落ち着くのも事実。
今夜のMusique,Fauré:Requiem
André Cluytens/パリ音楽院管弦楽団
Dietrich Fischer-Dieskau/Baryton
Victoria De Los Angeles/Soprano
1962年録音